天皇賞秋は秋の古馬中長距離G1レースの第一戦目(他はジャパンカップ、有馬記念)です。
最近でこそ1番人気が強いレースとなりましたが、東京2000mは昔から魔物が棲むと言われ、波乱の結末が多い時代もありました。
昨年は、前走宝塚記念9着からの休み明けも1番人だったキタサンブラックが、出遅れてそれまでとは違う差しの競馬で力の違いを見せつけたレースでした。
■目次
コース特性
菊花賞は東京芝2000mで行われます。
1コーナー奥のポケットからスタートして、すぐに2コーナーがあり急カーブであるため外枠はロスが大きく不利なコースとなっています。
向こう正面の長い直線と3コーナー付近までの下り坂でスピードに乗るため、逃げ馬は展開に恵まれないと厳しい。実際過去10年で逃げて好走(2着)した馬は名牝ダイワスカーレットのみです。
最後は緩やかな上り坂と長い直線が待ち受けているため、瞬発力より持久力タイプが好走しやすいです。
東京芝2000mの各種成績
データ集計期間は過去5年です。
騎手別成績
騎手名 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
戸崎圭太 | 26 | 33 | 18 | 72 | 17.4% | 39.6% |
柴田大知 | 9 | 13 | 10 | 111 | 6.3% | 15.4% |
内田博幸 | 16 | 13 | 13 | 96 | 11.6% | 21.0% |
田辺祐信 | 15 | 7 | 14 | 94 | 11.5% | 16.9% |
蛯名正義 | 11 | 12 | 18 | 89 | 8.5% | 17.7% |
戸崎騎手の連対率が異常に高いです。
5位以内には入っていませんが、こと天皇賞秋に関してはM.デムーロ騎手の成績も良いです。
種牡馬別成績
騎手名 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 36 | 35 | 26 | 175 | 13.2% | 26.1% |
ステイゴールド | 26 | 21 | 20 | 182 | 10.4% | 18.9% |
ハーツクライ | 14 | 23 | 16 | 124 | 7.9% | 20.9% |
キングカメハメハ | 20 | 17 | 9 | 100 | 13.7% | 25.3% |
シンボリクリスエス | 4 | 10 | 7 | 87 | 3.7% | 13.0% |
天皇賞に限り、人気のディープインパクトはジェンティルドンナしか2着以内に来ていません。
ディープインパクトとほぼ同じ成績のキングカメハメハ。1番人気が予想されるレイデオロには心強いデータ。
枠番別成績
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 30 | 28 | 27 | 185 | 11.1% | 21.5% |
2枠 | 20 | 15 | 25 | 223 | 7.1% | 12.4% |
3枠 | 17 | 32 | 25 | 239 | 5.4% | 15.7% |
4枠 | 33 | 23 | 31 | 244 | 10.0% | 16.9% |
5枠 | 30 | 24 | 19 | 290 | 8.3% | 14.9% |
6枠 | 39 | 27 | 29 | 299 | 9.9% | 16.8% |
7枠 | 25 | 37 | 28 | 345 | 5.7% | 14.3% |
8枠 | 27 | 33 | 36 | 358 | 5.9% | 13.2% |
1枠の連対率が頭一つ抜け出しています。多頭数になる天皇賞ではやはり4枠より内が馬券内に来ているようです。
また天皇賞に限り8枠は3着が精一杯とやはり外枠不利になっています。
天皇賞秋の過去10年のデータ
- 1番人気の連対率は70%、複勝率90%と信頼度がかなり高い。
- 人気の盲点になったG1実績馬の巻き返しがよくある
- 休み明けはG1馬、前走G2連対でないと苦しい
- 6歳以上は31頭出走して3着1回と大不振。
- 2番人気以内の牝馬なら信頼性がかなり高い。
- 京都大賞典から1連対、オールカマーをステップにした馬は複勝圏もなしと相性が悪い。
- 意外にも人気薄のディープインパクト産駒が穴をあける。
天皇賞秋(2018年)の注目馬
いません。
と言いたいところです。出走すれば(馬券的に色んな意味で)面白いと思っていたダービー馬ワグネリアンや同じくダービー1番人気ダノンプレミアムが出走しないので興味が半減してしまいました。
しかたなく繰上り的にスワーヴリチャードに注目します。
前走の安田記念では1分31秒台となる超スピード決着と、中長距離にしか実績がない当馬にとっては厳しい展開と馬場にも関わらず、メンバー最速の上がりタイムを出して3着と奮闘しました。そこまでのスピード決着にならないとみて安田記念では本命にしました。(馬券はハズレ)
天皇賞秋は2000mですが、それより長い距離の実績馬が結果を残しやすいレースです。スワーヴリチャードは2400mのダービー2着、アルゼンチン共和国杯が楽勝の1着と申し分ありません。馬券外(4着以下)に沈んだ2戦も、本格化前の皐月賞と圧倒的に展開が不利だった有馬記念だけです。
東京競馬場(左回りコース)との相性も良く、休み明け、仮に不利な大外枠でも馬券外に飛ぶことは想像しにくいです。
2018年の天皇賞秋の展開予想
27日土曜日9R(芝1400m)の勝ちタイムが1分20秒を切っている。1000万以下の条件クラスでも道中のペースが緩まなければ高速決着になる馬場。
天皇賞もペースが締まれば1分56秒台の決着もあり得るが、今年は過去10年で最も出走頭数が少ない13頭立て。教科書的にはスロー濃厚とみるのが筋。
しかし展開は水もの。先週の菊花賞を思い出してほしい。フルゲート18頭立て、ハナを主張したい馬、逃げて結果を残してきた馬が4、5頭いてハイペースの条件が揃っていたのにも関わらず、ふたを開けてみると全馬が金縛りにあったかのような超スローの直線だけのヨーイドンのレース。
スローかハイかの二者択一の確率でいったら意外と半々ではないか。
展開は不確実でも本日の東京の天気から引き続き高速馬場であることは確実。
スローになっても1分57秒台後半の決着、ハイになったら1分56秒前半の決着を想定して予想をしてみたい。
もちろんどんな展開になっても中心的存在に変わりないスワーヴリチャードとレイデオロ。
クラシック2冠(皐月賞、ダービー)を凌ぎ合った2頭が1年ぶりに対決する。
どちらを上位に取るかのヒントはハイペースの皐月賞、スローペースのダービーに散りばめられている。
当時の両馬の完成度、気性を考慮すると、片方は明らかに弱点を持っていて世間で言われている程盤石でないことが分かる。
波乱の決着は、弱点を抱えた人気馬が、世間にそれを初めて露呈するときに起こる。
穴党ゆえの願望込みだが、今回はそうなりそうな気がしてならない・・・
馬券は弱点の少ない方を本命にして、相手を手広く買いたいです。
当たらないのでもちろん無料ですw
思い出の天皇賞秋
2001年の天皇賞秋です。
一発屋。
空気読め。
ダート馬だろ?
正式に天皇賞への出走を決めたアグネスデジタル陣営に向けられた競馬ファンの言葉であります。
なぜなら獲得賞金順の関係で、出走すれば人気になっていたであろうクロフネが除外されてしまったからです。
しかし、極東マンボは期待に胸を膨らませていました。
当時の古馬中長距離界はテイエムオペラオーとメイショウドトウの2頭で無双しており、レース内容も面白くなく馬券的も荒れることもなく退屈していました。
常にこの2頭に勝てる馬を無理矢理探しては本命にして、毎度馬券でやられていました。
特にテイエムオペラオーはどんな展開、馬場でも対応してしまう完璧な馬。クロフネのような常識的な正攻法の強さでは敵わない。
初の芝勝利がなんとG1レース(マイルチャンピオンシップ)。しかもそれまでダートしか勝利したことない馬とは思えない異次元の末脚を繰り出しての勝ち方は圧巻でした。
打倒テイエムオペラオーはこんな非常識な馬だからこそ期待できる。
迷いなくアグネスデジタルからの流し馬券を買って、ゲートが開くのを待つ。
レースは意外な展開となる。誰もが逃げると思ったサイレントハンターが大きく出遅れて、押し出されるように2番人気のメイショウドトウが戸惑いながら逃げることになりました。
不良馬場ということもあり、スローの団子状態。テイエムはきっちりとメイショウの直後につけいつでもかわせる状態。
流石だ。またこいつに勝たれる。
一方アグネスは外枠からの発走もあり前に馬を置けず四位騎手が懸命に手綱を抑えている。
ダメだ。初の2000mでもあるしコースロスも大きい。直線で力尽きるだろう。
4コーナーを回って最後の直線。いつも以上の手ごたえでテイエムが楽々とメイショウをかわして突き放していく。
勝負あった。
と思った直後、不良馬場の中その日どの馬も走っていないと思われる大外のキレイな緑の芝を駆け上がる馬が来る!
実況でもある通り、クロフネ陣営もファンも納得の勝利。
当然、読みも当たった極東マンボの馬券も・・・
ハズレました(泣)
アグネスデジタルから、テイエムとメイショウを外した流し馬券を買っていたのです。
しかし、馬券がハズレても清々しい気分でした。きっと馬券を当てることより打倒テイエムの思いが強かったのでしょう。
その後アグネスデジタルは海外レース、国内のダートG1、芝G1を勝利するも地方の格下馬にあっさり負けたりと異彩を放つ名馬であったことは間違いありません。
2018年の馬券成績
今年はラッキーなことに既に勝ちが確定しています(残りのレースを予算の範囲内で馬券を購入した場合)。
夏以降はずっと調子は振るわないですが、淡々と予想して美味しいところの組み合わせのみ馬券を買うことで平均以上の成績が出ると信じています。
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